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6−2.オドメーターコントロールポイントPart2


ここからはSTEP6上級編です。

ODが設置される最も大きな理由は先に述べたとおりですが、ODで正しい”ズレ具合”を把握する必要はこれ以外にも実は出てきます。

ちなみにズレ具合のことを

補正率・補正値

と呼んでいます。試験ではないので、どれでも好きなもので呼んでください。大体こんなのがメジャーです程度で理解してください。

で、補正率を把握する必要性ですが、以下の図をご覧ください。

6-1図

6-1図は、STEP3の3-1図をベースにしたものです。

STARTから1CPまで10.000kmありました。指示速度は36km/hです。10:01:00にSTARTした場合、1CPは何時何分何秒に通過すれば良いでしょうか?


STEP3辺りを復習してみましょう。

正解は

0時間16分40秒後

でしたね。つまり

10:17:40

に1CPを通過すれば減点は0ということになります。各チームはこれを目標に走行するわけです。

ちなみに、時速36kmの場合、1km進むためには1分40秒必要になります。わかりますか?

1時間で36km進むということは、逆に言えば 36km進むのに1時間掛かるということです。1kmはこの場合は36分の1ですから、必要な1時間も36分の1してあげれば、1km進むのに必要な時間が分かります。

ということは、STARTから自車のメーターを見て1km進んだ時点で、1分40秒経過している、つまり
10:02:40
を表示していれば正しく走行できていることになりますよね?後はこれを繰り返していけば、理論上は1CPを10:17:40に通過できるはずです。

・・・ここで最初の話を思い出してみてください。

基準距離と自車の距離はズレて表示されることが殆ど・・・・・というかまず間違いなくズレて表示されます。

で先の”自車のメーターを見て1km進んだ時点”・・・・・本当に1km進んでいるんでしょうか?

自車のメーターでは1kmだったとしても、基準距離は自車メーターとはズレていますので、基準距離としては1kmより多いかもしれないし、少ないかもしれないんです。

つまり、自車のメーターで1kmの時点で10:02:40だったとしても、基準距離上で考えると1kmではない地点10:02:40になっているということになります。

あくまでもラリーでは”主催者が計測した基準距離”が正しいということになります。従って、1CPの通過すべき時刻もその基準距離を元に計算されます。

ここで6-1図をもう一度見てみましょう。

STARTから1CPまでの基準距離は10.000kmです。これを元に時速36kmで走行した結果は1CPを10:17:40に通過するということでしたよね?

但し、実際に自車が走行した場合、ズレを無視してしまうと、1CPの時点で9.000kmとメーターが表示してしまったらどうしましょう?

自車メーターで1km進むたびに1分40秒加えながら走行していると、自車メーターで9.000kmのときに目の前には1CPが登場してしまいます。あと1km足りなかったですよね?

本来であれば自車メーターで10回1kmをカウントした段階で1CPが登場して欲しかったのに、1回足りなかったのですから、結果としては1分40秒少なく1CPが登場してしまったことになります。つまり、
10:15:00
の時点で1CPとご対面ということになります。

では、こうした大惨事を避けるためにはどうすればよいか?

基準距離は絶対ですから変えることはできません。ということは、自車のメーター距離を変える必要があります。但し、実際に表示そのものを変えることはできませんから、何をするか?となると

1kmで1分40秒

この部分に何らかの工夫をしてあげましょう。その工夫をするための材料が補正率になり、補正率を把握するための場所としてODが用意されているということにつながってきます。

では、次の図を見てみましょう。

6-2図
6-1図と似たような感じですが、STARTからODまでの結果です。

基準距離、つまりコマ図に記載された距離は5.000kmでした。それに対して、実際に走行した際の自車メーターの距離は4.500kmと表示されました。ではズレ具合、つまり補正率は?ということになりますが、補正率は6-2図をそのままイメージしていただき、

補正率 = 自車距離 ÷ 基準距離

で求めることができます。単純に比率ですからね。分子と分母が逆でも良いのですが、この順番で憶えましょうね。

では実際に距離を当てはめてみましょう。

4.500km ÷ 5.000km = 0.9

ということで、補正率は0.9という事が分かりました。補正率が意味するところとしては、

コマ図には5.000kmと記載されているが、実際には記載された基準距離に補正率を掛けた距離が自車メーターに表示されるよ!注意しろ!ということです。

5.000kmに0.9を掛けると4.500kmとなりますよね?つまり、この補正率を掛ければコマ図に記載された距離に対して表示される自車メーターの距離があらかじめ分かるということになります。これは非常に有効な武器になります。

では、またまた戻りますがあと少しですから頑張ってください。

先ほど、1kmを1分40秒で走行するという話がありました。そして、自車メーターで1kmの地点は基準距離上では1kmではないということもありました。

1kmを1分40秒で走行するというのは、あくまでも”基準距離上で1km”ということになります。従っていくら自車のメーターで1kmだ!と言ってもそれは正しくはないということになります。

では、どうやって基準距離上で1kmの地点を見つけ出すのか?

もうお分かりです・・・・・・・よね?

基準距離に補正率を掛けると自車メーターの表示距離が分かるのですから、1kmに補正率を掛ければよいのです。

1kmに0.9を掛けると、0.900kmです。つまり自車メーターで900mの地点が、基準距離上での1km地点と同じということになるわけです。

900mが基準距離で1kmならば、自車メーターで900m進むたびに1分40秒経過すればよいということですよね?

900mx10回=9.000km
1分40秒x10回=16分40秒

なんとなく見えてきませんか?

900mで1分40秒を10回行うと、9km進んで時間は16分40秒掛かるということです。

で、基準距離上でSTART~1CPの所要時間は・・・・やはり16分40秒でしたよね?

このように、補正率を算出することで、正しいルートを走行できるようになるだけではなく、正しい時間での走行にも役立たせることができるということにもなるんです。

いつにも増して長くなってしまい、いきなり全ては理解できないかもしれませんが、何回かSTEPを往復することで理解していただければと思います。

STEP7へ(準備中)

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